皆さんは電動ガンにはメカボックスと呼ばれる内部ユニットが内蔵されていることはご存知ですよね。
初心者の頃はこの電動ガンのメカボックスを触ると壊しそうで怖くて触れないものです。
しかし、慣れてくると自分でメカボックスをばらして仕組みを見たくなり、やがては内部のパーツを交換するなどの内部チューンに興味が湧いて来ます。
そのための基本知識として電動ガンのメカボックスの特徴を知っておくと、エアガンを扱う楽しさが倍増します。
エアガンは実銃に似せた外観を持ち、プラスチック製の弾丸を低圧の圧縮空気や難燃性ガスで発射する遊戯銃です。
1990年代までエアガンは、エアコッキング式とガスブローバック式の2種類が主流でした。
しかし、外部ソース式エアガンは速い発射速度と高い連射性能が特徴でしたが、外部タンクやホースが必要で、
取り回しに自由度が低くランニングコストも高いというデメリットがありました。
この不便さを解消するために開発されたのが東京マルイの電動ガンです。
本記事では、東京マルイのメカボックスの歴史と、スタンダード電動ガンから次世代までの進化について解説します。
スタンダード電動ガンのメカボックス:種類と特徴を徹底解説
スタンダード電動ガンのメカボックスは、そのメカニズムによってエアガンの世界に革命をもたらしました。
従来の手動式エアガンや外部ソース式エアガンに比べ、
電動ガンは内部のユニットに3つのギア、ピストン、シリンダーが内蔵され、それらをモーターで駆動してBB弾を発射することが可能になりました。
バッテリーからの電力供給、トリガーユニットによるスイッチ制御、そしてシリンダーノズルやタペットプレートを活用したBB弾の供給など、
その仕組みは手動式エアガンにモーターによる連射性能を実現させる画期的な発明でした。
これが「電動ガン」と呼ばれる所以であり、東京マルイのメカボックスの登場によって、
外部ソース式エアガン以外にも連射性能を持つ電動ガンという選択肢がユーザーに与えられるようになりました。
電動ガンの登場以前は、連射性能を求める場合、外部ソース式エアガンを選択せざるを得なかったのですが、
そのデメリットとして圧縮空気供給用の外部タンクやホースが必要であり、エアガンの取り回しの自由度が低く、ランニングコストも高かったのです。
しかし、電動ガンの登場によって、この問題が解消され、ユーザーにとって使いやすく、手軽な選択肢が広がりました。
そこでまずは、スタンダード電動ガンのメカボックスの種類と特徴をご説明します。
スタンダード電動ガンのメカボックスの種類と特徴
スタンダード電動ガンのメカボックスは、8つの異なるバージョンに分類され、それぞれのバージョンは特定の電動ガンのモデルに適しています。
また、一部のモデルは専用に開発されたメカボックスを持っています。
ますは、我々が作成した一覧表をご覧いただき、電動ガンのメカボックスの全体像を把握していただきたいと思います。
その後、各メカボックスのバージョンごとの特徴について詳しく解説していきます。
メカBOX Ver. | モデル |
---|---|
Ver.1 | FA-MAS F-1 FA-MAS SV |
Ver.2 | M16A1 M16A1 VN M16A2 XM177E2 CAR-15 M4A1 M4RIS M4S-System SR-16 MP5J MP5A4 MP5A5 MP5SD5 MP5SD6 MC51 G3-SG/1 G3-A3 G3-A4 |
Ver.3 | MP5Kurz MP5PDW G36C AK47 AK47S AK47 β-Speznaz SYEYR AUG STEYR MILITARY SG550 SG551 SG552 SEALs |
Ver.4 | PSG-1 |
Ver.5 | UZI |
Ver.6 | P90 P90TR THOMPSON M1A1 |
Ver.7 | M14 M14 SOCOM |
Ver.8 | 89式小銃 89式小銃 折曲銃床式 |
Ver1(ヴァージョン1)メカボックスの特徴
メカボックスヴァージョン1は、電動ガンの第一号機であるファマスシリーズに搭載されたもので、東京マルイのメカボックス第一号でもあります。
内部の特徴としては、内部ギアのギア比が高く、他の電動ガンに比べて秒間のサイクル数が1~2発ほど高く、
また搭載されたモーターは、EG560と呼ばれる東京マルイも初期の頃のモーターになっています。
外観の特徴としては、メカボックスのガワがシリンダーまで完全に覆うデザインであるため、ほぼブラックボックス化されています。
そのため、一度メカボックスのガワを開くと、閉じる際にピストンスプリングにシリンダーが押し上げられて、初心者が組み上げるには非常に難しいメカボックスといえるでしょう。
東京マルイも、メカボックスが開けられるという前提は考えていなかったのではないでしょうか。
ヴァージョン2メカボックスの特徴
電動ガン第2号機であるM16A1用に開発されたメカボックス・ヴァージョン2は、その後のMP5シリーズ(KRUZは除く)やG3シリーズ、M4A1など、
東京マルイのドル箱的モデルに多数搭載され、メカボックスのマスターピースといってもいいメカボックスです。
ヴァージョン2メカボックスの特徴としては、モーターが別付けになり、このデザインによって多彩なモデルに搭載できる汎用性の高いメカボックスとなっています。
また、シリンダー部に窓が設けられており、組み込み時にシリンダーを押さえられるため、組み上げの難易度が大幅に上がりました。
配線ルートもストック側のリア配線、ハンドガード側への前出し配線など、バッテリー収納の多様性が増しています。
M16A2発売時には、テイクダウンに対応したVer2.5というバリエーションも追加されています。
ヴァージョン2メカボックスの登場により、電動ガンの内部カスタムが普及し始め、
インナーバレル長に合わせたシリンダーの選択肢の多様化やカスタムギアの登場に拍車がかかりました。
モーターは初期にはEG700が搭載されていましたが、後にEG1000にバージョンアップされています。
ヴァージョン3メカボックスの特徴
ヴァージョン3メカボックスは、「AKバッテリー」と呼ばれるスティックタイプのバッテリーを搭載するAK47用に開発されたメカボックスで、
AK47系、MP5クルツ系、SIG系、ステアーAUG系、G36シリーズに搭載されています。
内部のギアはヴァージョン2と共用になっており、ヴァージョン2メカボックスよりも全体的にスリムなデザインが特徴です。
また、メカボックス上部の固定方法がネジではなく、クリップで固定する仕様に変更されています。
さらに、ヴァージョン3メカボックスではモーターの保持方法も独自のものとなっており、
モーターケージと呼ばれる専用のパーツで固定することで、モーターの位置調整が容易になっています。
これらの特徴を持つヴァージョン3メカボックスは、幅広いモデルへの搭載が可能となっています。
ヴァージョン4メカボックスの特徴
東京マルイの電動スナイパーライフル「HK PSG-1」向けに開発された専用メカボックスで、
PSG-1がセミオートスナイパーライフルであることから、ヴァージョン4メカボックスはセミオート専用のメカボックスとして設計されています。
ヴァージョン4メカボックスは、発射サイクルが他のメカボックスと異なり、ピストンの後退位置から始まり、射撃後にピストンが再び後退位置に戻ります。
これは、現在多くの電動ガンに採用されている「プリコップ」という機能で、東京マルイは1995年に既にPSG-1に実装していました。
また、ピストンを正確なポジションで止めるために電磁ブレーキも搭載されています。
ヴァージョン4メカボックスは、他のメカボックスとは全く異なる造りになっており、上下に2分割できるセパレート式メカボックスが採用されています。
近年、台湾のエアガンメーカーICSやC.A.T.エアソフトが搭載したことで注目を集めるセパレート式メカボックスですが、東京マルイは1995年に既に実用化していました。
そのため、ヴァージョン4メカボックスは東京マルイの先見性と技術力の高さを証明するメカボックスでもあります。
さらに、スナイパーライフルの特性上、ヴァージョン4メカボックスのシリンダー容量は、東京マルイの電動ガン中で最大を誇っています。
このような特徴がヴァージョン4メカボックスには備わっており、東京マルイの技術革新の歴史を感じさせます。
ヴァージョン5メカボックスの特徴
ヴァージョン5メカボックスは、東京マルイのスタンダード電動ガンUZIサブマシンガン用に開発された独創的なメカボックスです。
UZIの特徴的なデザインを再現するために、横長のフレームにマッチさせるために、横一線にモーター、ギア、チャンバー、インナーバレルが配置され、
このインナーバレルがピストンとシリンダー内を貫通する形になっています。
モーターは横向きに配置され、通常とは逆回りの回転をする仕様になっています。
このヴァージョン5メカボックスの動きの特徴は、通常のメカボックスと比べて、ピストンの動きが真逆になっていることです。
ヴァージョン5メカボックスの独特の構造
ヴァージョン5メカボックスは、東京マルイのスタンダード電動ガンUZIサブマシンガン用に開発された独創的なメカボックスです。
UZIの特徴的なデザインを再現するために、横長のフレームにマッチできる、横一線にモーター、ギア、チャンバー、インナーバレルが配置されるデザインになっています。
これはヴァージョン2やヴァージョン3のメカボックスではUZIサブマシンガンの外観の再現が不可能であるためです。
そしてこのヴァージョン3のメカボックスの最大の特徴はインナーバレルがピストンとシリンダー内を貫通する形になっていることです。
またモーターは横向きに配置され、通常とは逆回りの回転をする仕様になっています。
このヴァージョン5メカボックスの動きの特徴は、通常のメカボックスと比べて、ピストンの動きが真逆になっていることです。
ヴァージョン5メカボックスの独特の動きとは
具体的にこの動きを説明すると、通常の電動ガンではギアが
1,ピストンが後退しスプリングを圧縮、圧縮されたスプリングによってピストンが前進してエアーを圧縮、それによってBB弾を発射
ですが、ヴァージョン5メカボックスでは
2、モーターが回転、ピストンが前進してスプリングを圧縮、圧縮されたスプリングのよってピストンが前進、それにより圧縮されたエア―によってBB弾を発射
3、ヴァージョン5メカボックスのシリンダー&ピストン内をインナーバレルが貫通しているのは、この独特の作動方式で電動ガンを駆動させるためです。
ヴァージョン5メカボックスのカスタムレシピがない理由
しかし、この独創的なメカニズムのためにメカボックスの内部チューンには向かず、カスタムショップでもUZIのカスタムガンのレシピは皆無です。
それでも、当時の技術でコンパクトな電動ガンの再現に成功したことは、東京マルイの技術力の高さを証明しています。
今では、マイクロメカボックスが開発され、UZIサブマシンガンと同じグリップ内にマガジンを装填するコンパクトサイズのMP7A1も再現可能になっていますが、
1998年当時は、このような独創的なメカボックスが必要だったのでしょう。
ヴァージョン5メカボックスは、エアソフトガン業界においてもオンリーワンの存在として記憶されるでしょう。
ヴァージョン6メカボックスの特徴
ヴァージョン6メカボックスは、まずP90シリーズに搭載された後にトンプソンM1A1にも採用されています。
このバージョン6メカボックスの最大の特徴は、汎用性を目指してより発展させたもので、それまでに登場したバージョン1、バージョン2、バージョン3メカボックスの進化型と呼べるものです。
全体的にスリムになり、モーターの搭載位置(角度)が変えられることで幅広い機種に対応できるようになりました。
モーターの角度と位置を自在に変えることで、高い汎用性も見せるヴァージョン6メカボックスですが、
この後に登場するM14や89式5.56㎜小銃に搭載されることはなく、最終的にはP90とトンプソンM1A1に搭載されるだけにとどまりました。
ちなみにP-90は東京マルイの全電動ガンの中で、最もメカボックスにアクセスしやすい電動ガンだと感じています。
バージョン7メカボックスの特徴
ヴァージョン7メカボックスは、東京マルイの電動ガンM14用に開発されたメカボックスです。
東京マルイは、モーターの角度を自由に変えられる汎用性の高いメカボックスとしてヴァージョン6を開発していましたが、
M14のアクションとスリムなグリップ内に納めるには無理がありました。
そのため、再び東京マルイはM14用に専用メカボックスを設計することになりました。
M14は、コンベンショナルなデザインでピストルグリップがなく、
伝統的なウッドストックデザインの銃の外観を電動ガンとして再現しなければならなかったことが、その大きな違いです。
バージョン7メカボックスのデザインの特徴
ヴァージョン7メカボックスのデザインは、M14のストック内に納めるためにとてもスリムになっています。
ピストン/シリンダー部の下部後方に3つのギアとトリガーユニットを配置し、その後方にストックの角度に合わせてモーターが配置されています。
メカボックスの外面にはスイッチやセレクター、トリガーなどのパーツとスプリング類が多数取り付けられています。
一見、分解が面倒そうに見えますが、意外と簡単にパーツ類は取り外せます。
ただし、注意しなければならないのは、ストックとアクション部を取り外す時にセレクターバーを折らないようにすることです。
このメカボックスの後端をコの字型に囲んでいるこのパーツはプラ製で折れやすいためです。
現在の東京マルイはメカボックスをアッセンブルで販売しているため、メカボックス関連の個別パーツの入手は困難になっています。
ヴァージョン8メカボックスの特徴
バージョン8メカボックスは、東京マルイの電動ガン89式5.56ミリ小銃に搭載されたメカボックスです。
その最大の特徴は、3点バーストをメカボックスに実装したことにあります。
現在の電動ガンのバーストショットは、MOSFETと電子トリガーのコンボで電気的にコントロールされていますが、
バージョン8メカボックスでは、メカボックス外部に取り付けられた3バースト用ギアによって再現されています。
ヴァージョン8メカボックスは、基本的にヴァージョン2メカボックスの外面に3バースト用ギアを取り付けたものです。
しかし、ヴァージョン8メカボックスとヴァージョン2メカボックスの間には互換性はありません。
これは、各メカボックスの設計や構造が異なるためです。
東京マルイ:スタンダード電動ガンメカボックスのまとめ
スタンダード電動ガンのメカボックスは、エアソフトガンの性能や機能性に大きな影響を与える重要な要素です。
次世代電動ガンのメカボックスやハイサイクル電動ガンのメカボックスを枝や花とすると、スタンダード電動ガンのメカボックスは木の幹にあたります。
最新の電動ガンメカボックスを理解するうえで、スタンダード電動ガンの知識はかかせません。
本記事では、東京マルイが開発したメカボックスの歴史と、バージョン1からバージョン8までの特徴と進化について詳しく解説しました。
それぞれのメカボックスがどのような銃種に対応しており、どのような技術革新が取り入れられているかを知ることで、エアソフトガンの選び方やメンテナンスに役立てることができます。
スタンダード電動ガンのメカボックスについて理解を深め、エアソフトの楽しみをさらに広げましょう。
予定ではこの後に次世代電動ガン用メカボックスを取り上げるつもりだったですが、
あまりにも文字数が多くなるので次世代電動ガン用メカボックスについては、次のブログでお伝えします。
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